犬猫新聞

2011年03月07日


火曜日


出版元


Irreplaceable Life

橋げたの子猫

 埼玉県川口市芝塚原の陸橋で、橋脚と橋げたの隙間から出られなくなった子猫が2011年3月1日、動物愛護団体や消防本部の協力で約半年ぶりに救出された。

 住民がインターネットで呼びかけ実現した。なぜ入り込んだかは不明だが、昨秋以降、住民がひもを垂らすなどして餌や水をやってきた。愛護団体が飼い主を探している。

 近くに住む後藤晃英さん(68)が猫に気づいたのは昨年9月。高さ約5メートルの橋脚にはしごをかけて保護を試みたが、奥に逃げ込まれて断念し、朝晩に煮干しを橋の上から投げて与えるなどした。他の住民も橋からひもを垂らして水をやった。川口市消防本部には1月までに「猫を助けて」の119番が4回。その度に救出を試みたが、失敗した。

 救出の立役者は近所の会社員染谷カーシャさん(34)。ブリッジをもじって「ブリ」と名づけ、夫の会社員隆司さん(43)と餌をあげる一方で、ネット上の会員制交流サイトで救出方法を相談。それを見た人の紹介で、「日本動物生命尊重の会」(東京)に救出方法を教えてもらった。2日前から猫を空腹にさせ、1日午前、マグロとキャットフードが入ったかご状の捕獲器を消防隊員が橋げたに置くと、約3時間後、猫はかごに入って捕獲されたという。

橋げたの猫
虐待か、下半身不随の猫を女性が介護
 

 盛岡市本町通1丁目の主婦小原淳子さん(56)は下半身不随の猫、ラン(雌、12歳前後)の世話を続けている。近所の銭湯で飼われていた1年半ほど前、何者かに傷つけられ生死の境をさまよった。幸い命は取り留めたが、後脚と尻尾がまひ、移動の自由を失った。理不尽な虐待を加える人がいる一方、他人の猫にもかかわらず愛情を注ぐ小原さん。「見捨てるわけにはいかない」と小さな命に寄り添い続ける。

 人の世話なしでは生きていけない。まひした後脚は縮んでしまった。ランは一日の大半を、小原さんの夫敏彦さん(63)が自宅で経営するバイク店のストーブのそばで過ごす。もともと野良猫。グレーの毛並みにグリーンの目が愛らしい。

 餌の時間。前脚で上半身を起こし、体を引きずるように移動する。下半身の感覚がないため排せつが難しくマッサージして促したり、加工した赤ちゃん用のおむつや吸水シートを活用する。細菌に感染しないよう薬や抗生物質も欠かせない。(岩手日報)

続き

下半身不随の猫
高級猫が公園に、業者の遺棄か?

 

 大阪・守口市にある花博記念公園に、一匹十数万円する猫が約30匹捨てられているのが見つかった。市民ボランティアらが保護したが、まだ数匹の猫が公園に取り残されている。

 捨てられていた猫は、全てアメリカンショートヘアという外来種で、ペットショップでは一匹10万円を超える高値で売られている。猫は先月20日頃から数日に分けて捨てられたとみられているが、市民ボランティアらが一匹ずつ捕まえてこれまでに27匹を保護した。公園には数匹の猫が取り残されているということで、市民らが引き続き保護を試みている。

 警察は、繁殖業者が捨てた可能性もあるとみて動物愛護法違反の疑いで捜査している。

ねこのきもち

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いぬのきもち

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 バンクーバー五輪観光のそり犬
 100匹、銃とナイフで殺害

 

 昨年2月のカナダ・バンクーバー冬季五輪期間中に観光客を乗せた犬ぞりを引っ張っていたハスキー犬100匹が五輪閉幕後、一斉に処分されていたことが分かり、動物愛護団体が調査に乗り出した。1日、AFP通信が伝えた。

 昨年4月、観光客向けに犬ぞりを提供していた観光会社の経営が悪化。犬が不要になり、引き取り手もなかったため、男性作業員1人が2日かけてショットガンとナイフで犬を殺害したという。

バンクーバー五輪の犬ぞり
長崎でペットの命を考える活動-フリーペッツ九州支部が署名集め
フリーペッツ

 今年1月、長崎市内を中心に「動物愛護に関する法律の見直しに関する請願署名」活動が行われ、これをきっかけにペットの命との関わり方を考える人が増えている。

 署名活動を行ったのは、長崎市在住のコピーライター村川マルチノ佑子さんら女性2人。坂本龍一さんが顧問を務める「FreePets(フリーペッツ)」の呼びかけによる活動の一環で、村川さんは同団体の九州支部長を務めている。

 本格的に署名活動を始めたのは1月9日からだったが、協力者が続々と増え同31日の締め切りまでに5,000人を越す署名が集まり、2月初めに同団体の本部へ送付した。

 2008年度の環境省の統計資料によると、1年間に保険所に引き取られる犬や猫の数は約32万頭。うち約4万頭が譲渡会などで引き取られ約28万頭が殺処分されている。子どものころから気になり実際に保健所から猫を引き取るなどしていたが、それ以上のことができないことが心に引っかかっていたという村川さん。

 そうした中、知り合いが自主企画で募金活動を行い「殺処分を考え直そうというポスター」を作ったことを知る。動物を引き取る以外に動物を守る活動があることを知り、自分も動こうと決意。昨年11月に村川さん自身もポスターを作ろうと考え始めたころ、コンサートで長崎に訪れた坂本龍一さんとツイッターを介して知り合う。

 これがきっかけで同団体のメンバーに誘われ九州支部長を務めることになったという。現在長崎で一緒に活動している女性ともツイッターで知り合った。

 最初の活動として1月4日、ユーストリームを使って番組をライブ配信した。福岡市で殺処分の現状を取材し情報を発信しているライターと衆議院議員の福田衣里子さんをゲストに1時間の対談を行い、ツイッターを使って質問にも答えた。同9日には同団体主催で坂本龍一さんの韓国コンサートのパブリックビューイングを行い、長崎での署名活動を本格的にスタートさせた。

 「この団体のメンバーは、歌手や作家などものを作る人間が多い。直接動物を保護している人ばかりではないが、サイト制作・読み聞かせ・イベント開催など自分が得意とすること、自分ができることをできる範囲でしている。それぞれ忙しいが、実際に保護できないからといって活動を諦めることはない。それぞれの立場での関わり方がある」と、村川さんは力強く話す。

 が一段落し、次の活動はペットの殺処分をテーマにした絵本を長崎の子どもたちや親たちに知ってもらうことと、実際に保護活動をしている団体とのつながりを持つことだという。県内の幼稚園や保育園へ手作り絵本を寄贈したり、読み聞かせ会を行ったりしたいと意欲をみせる。

 「動物を飼っている人もいない人も、ペットが置かれている環境の事実を知ってほしい。特に子どもに伝えることが最も大事」とも。

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